CursorRulesを用いることで、自身の文体を維持しつつ、AI特有の表現を抑えた質の高い記事を作成できる可能性があると感じています。
CursorRulesは、プロジェクトのルートディレクトリなどに.mdcファイルとして保存することで、プロジェクトごとに異なるルールセットを適用できることに気づきました。
これにより、例えば技術記事と社内向けドキュメントでは、それぞれに適した執筆スタイルを使い分けるといった運用が考えられます。これは、執筆対象に応じて最適な表現を追求する上で、非常に便利な機能だと感じています。
以前読んだ記事(参考1、参考2)にもありましたが、特に技術記事においては、筆者自身の経験や考察、例えば「ここで詰まった」「こうしたら解決した」「この仕様は少し使いにくいのでは?」といった生の声が記事の価値を大きく左右すると考えています。
そのため、中心となるコンテンツ、つまり筆者ならではの視点や体験談は人間が主体となって記述し、文章の構成や細かな表現の調整をAIに任せるという分担が、現時点での私にとって最適なバランスだと感じています。
近年、個人ブログや技術情報サイトなどで文章を発信する機会が増えましたが、納得のいく記事を仕上げるためには数時間から数日を要することも珍しくありません。目まぐるしく情報が変化する現代において、この執筆速度は課題だと感じていました。 極端な話、記事を書き終える頃には前提となる情報が変わっている、なんてことも起こり得るわけです。
本来、記事執筆の目的は「伝えたいことを的確に読み手に届ける」ことであり、必ずしも「美しい文章を書く」こと自体が目的ではありません。この点を考慮すると、AIによる執筆支援は非常に有効な手段となり得ると考えています。
私がAIに執筆支援を求める上で、特に重視したい点は以下の3つです。
- AIが生成する文章特有の不自然さを避けること
- 自身の既存の文体を可能な範囲で反映させること
- 記事全体の構成をより洗練されたものにすること
AIが生成した文章に見られる特徴として、以下の点が挙げられるという指摘(参考)は、私自身も納得感がありました。
- 無難で表層的な内容に終始しがち
- 論理構成が過度に整理されている
- 抽象的な表現が多く見られる
- 特定の言い回しが頻出する(例:「本質的」「革新的」「最適化」といった言葉)
- 感情の機微に乏しい表現
- 独自の視点が欠如し、一般論に終始する傾向
これらの点を意識的に排除することで、より人間らしい、読み応えのある文章を目指せると考えています。
これまでの執筆経験から、ある程度自身の文体というものが形成されていると感じています。そのため、AIには私の過去の執筆物(例えば、個人のnoteなど)を参考に、文体や言葉選びの傾向を学習してもらいたいと考えています。
長年文章を書いていますが、話題の転換や接続部分の表現がスムーズにいかず、推敲に時間を要することが度々あります。こういった構成面での課題解決をAIに委ねることで、より効率的に執筆を進められるのではないかと期待しています。
上記の要望を踏まえ、AIを活用して効率的に執筆作業を進めるための具体的な方法を模索しました。その過程で、ChatGPTに相談し、CursorRulesの雛形を生成してもらうというアプローチを試みました。(当時のChatGPTとのやり取り)
その結果、以下のようなCursorRulesの初期案が作成されました。
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description: テック記事執筆アシスタント(negipoyoc スタイル)
globs:
- "*.md"
- "*.markdown"
alwaysApply: true # すべての Markdown に自動添付
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# 目的
- 筆者の既存文体を保ちつつ、生成AIらしさを排除した自然で読みやすいテック記事を短時間で生成・推敲する。
# ワークフロー
1. **アウトライン生成**
- 箇条書きのメモを受け取ったら、最適な章立て案 (H2/H3)を提案する。
2. **本文ドラフト**
- 承認済みアウトラインに従い、各見出し単位でドラフトを生成。
- 1 セクション ≦ 300 語。段落ごとに区切り、連続長文は避ける。
3. **ヒューマナイズチェック**
- 以下の「スタイルガイド」「アンチAIガイド」を守れているか自己レビューし、差分(diff)形式で修正案を提示。
4. **ファクトチェック**
- 技術的な数値・仕様は `@Web(クエリ)` で裏付けを検索し、出典 URL を挿入。疑わしい場合は「要検証」と明記。
# スタイルガイド
- 一人称: 私
- 文体: 読者へ語りかけるカジュアルなです/ます調。
- 段落: 1〜3 文で 1 ブロック、必要に応じて箇条書きを使用。
- 技術用語: 初出で()内に簡潔な説明を入れる。
- 具体例: 各セクションに最低 1 つ、自身の経験・失敗談・コード片を挿入。
- 結論: 断定しすぎず、今後の課題や展望で締める。
# アンチAIガイド
- **禁止ワード例**: 「本質的」「革新的」「最適化」など汎用バズワード。
- 表面的な一般論・抽象論のみの説明を避け、具体的データや体験談を盛り込む。
- 構成が整然とし過ぎないよう、問いかけ・寄り道・曖昧さを適度に挿入。
- 感情やニュアンスを含める(例: 驚き、困惑、嬉しさ)。
- 1000 文字以上の一括出力は禁止。必ず段落または見出しで区切る。
# ツール指示(リマインダー)
- `@Web(クエリ)` …… 外部検索して要約+出典。
- `/diff` …… 修正文を差分形式で出力(誤字脱字・表現調整)。
- `/shorten` …… 長文を要約。
- `@ruleName` …… 明示的に呼び出し可能。
実は、この記事自体も、上記のCursorRulesを意識して執筆を進めています。 いかがでしょうか。AIによる支援を受けつつも、筆者自身の考えや文体を残せるよう試行錯誤している最中です。
CursorRulesを効果的に活用することで、自身の文体や個性を維持しながら、AIによる不自然さを極力排除し、一定の品質を保った記事を効率的に生成できるという手応えを感じています。
前述の通り、CursorRulesはプロジェクト単位で管理できるため、執筆対象に応じてルールを切り替える運用は有効だと考えています。 例えば、技術的な解説記事と、社内向けの報告書では、求められる文体や構成が異なります。それぞれの特性に合わせたルールを用意することで、より質の高い文章作成が可能になるでしょう。
繰り返しになりますが、特に読み手に深い洞察や共感を与える記事を作成するためには、筆者自身のユニークな視点や経験が不可欠です(参考記事)。「どこで困難に直面したか」「どのような試行錯誤を経て解決に至ったか」「この技術のどこに面白さや課題を感じるか」といった部分は、AIが代替できる領域ではありません。
したがって、記事の核となるアイデアや体験談は人間が提供し、その情報を基に文章の構成を練り上げたり、表現を洗練させたりといった作業をAIに任せる、という協調関係が理想的だと、私は考えています。
今後も、読者にとって価値のある情報を、より迅速に届けられるよう、AIとの連携方法を模索していきたいと考えています。 (ちなみに、元の記事は15分程度で執筆できたとのことですが、このようなAI支援によって、さらに質の高い記事を短時間で生み出せるようになることを期待しています。)