本書は『7. ユーザーの要望』の指示を行い、作成してもらった内容に必要な加筆を行ったものである。
以下は、C++で標本化周波数と秒数からサンプル数を算出するコードである。このコードが最適か確認してほしい。
なお、アルゴリズムが説明できれば良いと考えたため、以下のコードでは、標本化周波数などの値のセットは行っていない。
size_t fs; //標本化周波数
double seconds; //秒数
size_t samples; //サンプル数
samples = static_cast<size_t>(fs*seconds);- アルゴリズムは正しい。
- 注意点:
- 丸め誤差 →
static_cast<size_t>は切り捨て。 - オーバーフロー → 大きな値で注意。
- 丸め誤差 →
- 改善案:
std::roundを使う。- 範囲チェックを追加。
例:
#include <cmath>
samples = static_cast<size_t>(std::round(fs * seconds));丸めるべきかはどのように判断したらよいでしょうか。
- 丸めるべきケース:
- ユーザー入力の秒数を忠実に反映したい場合。
- 誤差が累積すると問題になる場合。
- 切り捨てで良いケース:
- ハードウェアやプロトコルで厳密な制約がある場合。
- 実務判断:
- 音声処理 → 四捨五入
- 通信制御 → 切り捨て
オーディオ処理系です。
- オーディオ処理系では 四捨五入(
std::round)推奨。 - 理由:
- 秒数に忠実であることが重要。
- 長時間処理で誤差が累積するのを防ぐ。
推奨コード:
#include <cmath>
size_t samples = static_cast<size_t>(std::round(fs * seconds));追加安全策:
double total = fs * seconds;
if (total > static_cast<double>(std::numeric_limits<size_t>::max())) {
throw std::overflow_error("Sample count exceeds size_t limit");
}
size_t samples = static_cast<size_t>(std::round(total));結論:
- オーディオ処理系では
std::roundがベストプラクティス。
今までの内容をやり取りを含め、時系列順にMarkdownにまとめてダウンロードできるようにしてください。
- アルゴリズムは正しい。
- 丸めるかどうかは用途次第。
- オーディオ処理系では
std::roundを使うのが最適。